データで医療を支えるプロフェッショナル「診療情報管理士」の仕事内容と将来性・資格について

データで医療を支えるプロフェッショナル「診療情報管理士」

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データで医療を支えるプロフェッショナル「診療情報管理士」の仕事内容と将来性・資格について

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2021.03.17

医療に関わる専門職の1つとして、近年注目されるようになってきた職種の1つが、「診療情報管理士」。カルテや検査記録、看護記録など、さまざまな医療行為の「記録」を管理することで、医療機関の土台を支える、言わば“縁の下の力持ち”的なポジションです。

 

「診療情報管理士」という職種名は、あまり耳にしたことがない方もいらっしゃるかもしれませんね。

「診療情報管理士」は、どこで、どのような仕事をしているのでしょうか?「診療情報管理士」として働くためには、どのようなスキルが必要なのでしょうか? 魅力や将来性なども合わせてご紹介します。

診療情報管理士の仕事内容は?

医療機関では、診察や検査、看護といった医療行為を行うと、必ずカルテや検査記録、看護記録などの形で記録を残します。これらの管理を行う専門職が、「診療情報管理士」です。

 

比較的大きな医療機関では、医事課などに所属していることが多いようです(病院によっては、診療情報管理を専門に担当する部署を設けていることもあります)。診療記録を適切に管理・運用するプロフェッショナルとして、「診療情報管理士」の果たす役割も大きくなってきています。

診療情報管理士の仕事① 記録された内容のチェック

医師が記したカルテや、検査技師が記した検査記録、看護師が記した看護記録などの内容を、客観的な視点からチェックします。

記載されるべき情報に間違いはないか、記入漏れはないか?などを確認し、疑問があれば、記入者に確認し、誤っていれば訂正を依頼して、診療記録を完成させます

内容が正しいかどうかを判断するためには、関連する医学分野の知識が不可欠です。加えて、注意深く慎重に確認する力も求められます。

 

診療情報管理士の仕事② データの分類・入力

記載されたカルテや検査記録、看護記録などを基に、データベースを作成します。ミスなく情報をデータ化することが求められます。近年では電子化が進んでいるため、コンピュータでの作業になることが多いようです。

 

病気やケガの名前には、ICD(国際疾病分類)と呼ばれる世界共通の“コード”が付けられています。アルファベットと数字で付けられたコードによって、言葉の壁があっても世界中で医療情報を共有できるのです。

病名や入院日数などを、コードに基づいて分類・入力するのが、「診療情報管理士」の大きな役割の1つです。それぞれの症例を的確に区分するための知識と、注意深く正確に作業を行う力が欠かせません。

 

診療情報管理士の仕事③ データの管理・利用

医療機関の各種記録は、一定の期間、保存することが法令で義務付けられています。その期間の管理も、「診療情報管理士」の仕事の1つです。紙の記録なら保管を、電子化された記録ならファイルの管理を行います。

ときには患者様からの求めに応じて、医療記録の開示を行うこともあります。その際も、「診療情報管理士」が対応にあたります 。

診療情報管理士に向いている人は?

「診療情報管理士」は、作業の正確さや注意深さに加えて、医療分野の専門知識も求められる仕事です。そのため、一般的な事務の仕事に比べると、ややハードルが高いかもしれませんが、「社会に欠かせない医療の一端を、自分のスキルで支えている」という、やりがいを得られることが魅力。

世の中のため、社会のために役立ちたいという思いを強く持っている方であれば、大きな達成感を得られるでしょう。

 

診療情報管理士に求められる能力は?適性は?

「診療情報管理士」として働くためには、勤務先で行われている医療の内容や関連する専門用語を、正しく理解している必要があります。また一方で、医療の世界でも、電子カルテの普及などICT化が進んでいます。

「医療」と「情報処理」の、両方に精通していることが求められるのが、「診療情報管理士」です。どちらも日進月歩で進歩していて、覚えなければならないことは数多くあります。常に最新の知識を吸収し、アップデートするために、日々の勉強が欠かせません。

努力を怠らず、自分自身を高めるために必要なことだと前向きにとらえられる姿勢が、「診療情報管理士」には求められます。

 

診療情報管理士の将来性は?働きやすさは?

上述のようにカルテのデータ電子化が進んだことで、医療機関が扱う診療情報の量は膨大になっています。さらに医療の高度化によって、今後は医療機関の枠を越えた医療データの活用や連携も増えると考えられます。

そうした状況から、カルテや診療記録のデータを正確に管理する診療情報管理士の必要性は高まっています。

 

勤務時間は、比較的安定しています。夜勤をしたり、長時間の残業が続くことは少なく、休日も一般的な医療事務職と同程度に取得できることが多いようです。計画的にコツコツと仕事を進めたいという方や、仕事とプライベートのメリハリを付けたいという方にとっては、働きやすい職種だと言えるでしょう。また、男女を問わず、スキルを身につけることで、年齢を重ねても長く活躍できることもメリットです。

診療情報管理士として働くには、資格が必要?

関連資格には、四病院団体協議会(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会)および医療研修推進財団が共同で認定する「診療情報管理士」があり、全国で通算40,418名が認定されています(2020年6月現在・日本病院会による)。

 

しかし、これは法令などで取得が義務付けられている資格ではありません。求人案件の中には、「未経験者可」のものもあります。まずは就職した上で、日々の仕事を通じて学び、スキルを身につけていくことも可能です。 ただ、資格を取得することで、活躍の場はさらに広がるでしょう。採用において有資格者が優先されたり、資格手当が支給されるなど優遇されることもあるようです。

診療情報管理士の資格を取得するには?

「診療情報管理士」の資格を取得するには、2つの方法があります。

① 一般社団法人日本病院会が認定する、大学や専門学校で3年以上学ぶ。

② 上記認定校以外の大学、短大、専門学校を卒業後、一般社団法人日本病院会の「診療情報管理士通信教育」を受講して学ぶ。

どちらの場合も、規定の課程を修了した後に、認定試験に合格しなければなりません。容易に取得できる資格ではありませんが、それだけに、取得できれば就業する上で大きな武器となるでしょう。

高い専門性で医療を支える、やりがいあふれる仕事

近年では医療の高度化、専門化が進み、大きな医療機関では仕事の分業化が進んでいます。医療の記録を一元管理する「診療情報管理士」は、これからの医療機関にとって欠かせない存在です。

また「診療情報管理士」が作成・管理したデータが、勤務先の医療機関内だけでなく、地域や国全体の医療政策を立てる上で役立てられることもあります。ますます高齢化が進み、医療へのニーズが高まる中で、「診療情報管理士」の果たす役割も大きくなりそうです。

 

「診療情報管理士」に興味を持った方は、求人情報をチェックしたり、相談会に参加したり、自分に合っているか検討してみてはいかがでしょうか。

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