医師事務作業補助者」って何をする仕事?向いているのはこんな人!資格がなくてもなれるの?

「医師事務作業補助者」って何をする仕事?

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「医師事務作業補助者」って何をする仕事?向いているのはこんな人!資格がなくてもなれるの?

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2021.02.26

医師からの指示のもと、診断書や処方せんなどの文書作成や電子カルテの入力といった、事務作業を代行するのが医師事務作業補助者の仕事です。
医師の仕事の一部を代行する医師事務作業補助者は、一般的な医療事務職よりもさらに医療現場との関わりが深く、やりがいを感じられます。

医師事務作業補助者は、医療に関する知識や事務作業のスキルが求められる職業でもあります。
この記事では、医師事務作業補助者の仕事内容や向いている人、医師事務作業補助者になる方法について紹介します。医師事務作業補助者に興味をお持ちの方はぜひ参考にしてください。

医師事務作業補助者とは?

医師事務作業補助者という職業ができた背景には、2008年度、医師の事務作業の負担を軽減し、患者と向き合える時間を確保できるように、診療報酬に「医師事務作業補助体制加算」が設定されたことがあげられます。
医師の事務作業補助体制が整備されている病院では、さらに評価される「医師事務作業補助体制加算1」が新設されたことで、文書作成やカルテの代行入力ができる医師事務作業補助者の配置が進んでいます。

 

医師事務作業補助者が導入された2008年(平成20年)の配置院数は730件でした。しかし、徐々に増加し続け、2018年(平成30年)時点では2,828件に至っています。この件数は、全国の病院の約1/3にあたります。
<厚生労働省 中央社会保険医療協議会 総会(第 424 回) 議事次第より>
需要が高まっている背景や、医療現場の最前線で働けるやりがいの大きさに魅力を感じて、医師事務作業補助者を目指す人は少なくありません。総合病院や大学病院など、経営が安定している病院で働けるところもメリットの1つです。

医師事務作業補助者の仕事内容は?

医師が診療に専念できる環境づくりを行って、医療の質の向上に貢献することが、医師事務作業補助者の主な役割です。仕事内容は多岐にわたりますが、ここでは代表的な4つの仕事内容を紹介します。

・医療文書の作成代行

医療文書には、診断書や紹介状、処方せんなど、さまざまな種類がありますが、医師事務作業補助者はこれらの作成を医師に代わって行います。
医師の指示に従い、診療結果をもとに診断書を作成したり、入院や手術に必要な手続き、また保険の証明書などを発行したりするのも主要な仕事です。

 

・診療記録の代行入力

医師の診察に同行して、医師の指示のもと、その場でカルテや電子カルテを作成・入力することは、医師事務作業補助者の重要な仕事の1つです。正確な診療記録を作成できる理解力や文章力が求められます。

 

・医療の質を向上させるための事務作業

医師が、スムーズかつ最適な医療サービスを提供できるように、治療や診察に関するデータの管理・整理をすることも医師事務作業補助者の仕事です。がんや外科手術の症例登録や会議資料、議事録の作成、また、カンファレンスの準備を担当することも珍しくありません。

 

・行政への対応

厚生労働省や自治体などに報告するデータを整理したり、救急医療情報システムや感染症サーベイランスに関する入力を代行したりすることも、医療事務作業補助者の重要な仕事です。

医師事務作業補助者になるメリット

医師事務作業補助者を配置する医療機関数は年々増加傾向にありますので、この資格を持つスタッフの需要も増加していくことが考えられ、医療現場で活躍できる可能性が高いといえます。
 

また、医師だけではなく、看護師や検査技師など、医療事務スタッフと比較してより多くの人と関わる医師事務作業補助者は、「人の役に立てる」ことを実感できる、魅力的な仕事です。医療従事者の良きパートナーとなることが、医療への貢献につながるでしょう。

医師事務作業補助者に向いているのはこんな人!

医師事務作業補助者には、医療に関する知識が欠かせませんが、知識さえあれば、仕事がスムーズに進むわけではありません。次の特性がある人は、適性があると考えられます。

 

・コミュニケーションスキルが高い人

医療従事者から一般の患者様まで、幅広い人と関わる医師事務作業補助者は、コミュニケーションスキルが求められます。患者様の情報や医師の診断を適切に伝達・保管するためには、自分から積極的に会話をして、有益な情報を引き出すようになれるのが理想です。

・コツコツと仕事を進められる人

データ入力や書類作成など、医師事務作業補助者には丁寧な仕事が求められます。人によっては、ルーティンで地味な作業の連続に思えるかもしれません。しかし、それを飽きることなく、コツコツと進められる人材は、医療現場で活躍できる可能性大です。医療業界は未経験でも、事務職経験者はこれまでの職歴を活かせるでしょう。

 

・責任感が強く、思いやりのある人

病歴や医師の診断は重要な情報であるため、それらを扱う医師事務作業補助者は、徹底して個人のプライバシーを守らなければなりません。その意識を強く持って、仕事にあたることができる、責任感の強い人が向いています。

医師事務作業補助者になるためには

ここまでで紹介してきたとおり、医師事務作業補助者は、国家試験などの高いハードルがないため、専門的な知識やスキルが求められるものの、比較的目指しやすいところがメリットです。

 

しかし、医療業界未経験の方が、何の知識やスキルもなくいきなり飛び込むと、専門用語が何も理解できずに苦労することも。医師事務作業補助者の採用選考をパスするためには、事前に勉強をして必要な知識を身につけておくことをおすすめします。

 

医師事務作業補助者関連の資格試験には、一般財団法人 日本医療教育財団と公益社団法人全日本病院協会が共催により実施している「医師事務作業補助技能認定試験」と、技能認定振興協会(JSMA)主催の「医師事務作業補助者検定試験」、全国医療福祉教育協会が主催している「医師事務作業補助者実務能力認定試験」の3つがあります。

 

そこでおすすめしたいのが、一般財団法人 日本医療教育財団と公益社団法人全日本病院協会が共催により実施している「医師事務作業補助技能認定試験」です。合格すると『ドクターズクラーク®』の称号が与えられます。

医師事務作業補助者に求められる知識と技能の両方が評価されるため、勉強をしていくなかで幅広い知識を身につけられます。

 

<試験概要>

 

●受験資格

以下の(1)~(3)のいずれかに該当する方

(1)教育機関等が行う教育訓練のうち、認定委員会が認定規程により定める「医師事務作業補助技能認定試験受験資格に関する教育訓練ガイドライン」に適合すると認めるものを履修した者

(2)医療機関等において医師事務作業補助職として6ヵ月以上(32時間以上の基礎知識習得研修を含む)の実務経験を有する者

(3)認定委員会が前各号と同等と認める者

 

●合格者へ付与する称号

ドクターズクラーク®

 

●試験内容と時間

・学科 
医師事務作業補助基礎知識/筆記(択一式)/25問/50分

・実技 
医療文書作成/筆記(記述式)/4問/60分

 

●試験実施回数

年6回(5月、7月、9月、11月、1月、3月)

 

●試験実施形態

在宅試験

 

●申込期間

試験日の2ヵ月前より、3週間前まで

 

●受験料

9,200円(税込)

 

●合格基準

学科および実技試験の各々の得点率が70%以上に達した者

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